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龍神町には例え相手がヤクザだろうがマフィアだろうが警察関係だろうが守らなければならない掟があった。
龍神町のガードドッグ如月恭也には手を出すなと。
それは絶対不可侵の掟で何人たりとも守らねばならない掟だった。その、如月恭也を巡り物語は動こうとしていた。
BARアイアン・メイデン
カウンター席に如月恭也が座りグラスに入った氷を転がし遊んでいた所に、一人の男が隣に座りウイスキーのロックを注文し話し掛ける。男の名は赤城真一。新藤会赤城組組長で新藤会の組頭だった。
「久しぶりだな。相変わらず元気そうじゃないか」
「ご託はいい。何の用事だ。まさか昔話でもないだろ」
「おいおい、ずいぶん邪険にするな。俺はただ、龍神町のガードドックに依頼に来ただけだ」
恭也の顔色が真剣なものへと変わる。
「やばい話のようだな」
「ああ、かなりヤバい話だ。だからお前に頼むしかないんだよ」
そう言うと真一は一枚の写真を恭也に手渡す。
「――こいつはまさか……」
「ああ、新藤会の跡目の鈴木龍一だ。こいつのボディーガードを頼みてえんだがどうだ」
「断れるわけねーだろ。こんなガキの命狙われてんならよ」
「ならよかった。そう言うと思ってつれてきたからよ」
「相変わらず手際が良いな。ああー、そうだ。一つ確認するがだれが相手でもガードすりゃいいんだな。
「ああ、例外なくだ」
「了解した。なら、とっとと連れて来てくれ」
「わかったよ。今電話する」
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