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「お、お前はガードドックの如月恭也」
「やっと話解るようなやつが来たか。組長を出せや」
恭也はそう言うと指の骨をパキパキと鳴らす。
「わ、解りました。今すぐ呼んできますので少々お待ち下さい」
そのやり取りを龍一は目を煌めかし見届けていた。
「どうだ。楽しいだろう」
「うん。さいこーにくーるでたのしい」
「何の用だてめえ。俺を呼び出すたーよー」
権藤が凄みながら現る。
「なーに。簡単な話しですよ。こいつに手―出すのやめて貰えませんかね。権藤の兄―には確か貸しがあったと思いますがね」
それに恭也が凄み返す。龍一はというとワクワクしていた。
「くっ、わかったよ。仕舞いにすりゃー良いんだろ。仕舞いによー」
「兄―。悪いんですが一筆下さいよ。一応、念のため」
「ちっ、相変わらず頭のまわる野郎だ」
権藤は一筆したためた後、親指をどすで少し切り血判を押した。それを恭也が確認し納得すると言葉を続けた。
「これがあるんですから本当に仕舞いですよ」
「ああ、解ったからとっとと失せろ。このくそ野郎が」
「あーあ、はいはい。解りましたよ。退散します」
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