4-4.慈雨に包まれて

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 「陛下…ザイード様。  皆にとても愛されているのですね。  貴方の顔がとっても嬉しそうで…私も嬉しいです。」  ナーディアの柔らかな手がザイードの頬に触れる。  愛する女性から向けられる純粋な好意。  自分を慕ってくれる者達の勇気ある行動。  こんなにも幸せを感じていいのだろうか。  (誰からも必要とされなかったけれど)  (今はこんなにも自分の事を大切にしてくれる人々がいる)  (幸せとはこういうものなんだな)  (———綺麗な涙ね)  (私の夫はこんなにも素敵な人なのね)  (確か私の時も…こんな風に泣いてくれたわね)  (好き——ザイード様がとても好きよ)  (愛する私の夫)  (こんなにも優しくて愛おしい人を温かく包み込んであげたいわ)  彼を恋しいと感じ。    胸を痛めるほどに切ないと感じ。  側にいると温かく、甘やかで蕩けるような気持ちが溢れて押し寄せる。    その時、美しい涙を流すザイードとしっかり握り合った手に不思議な光が灯った。  何とも不思議な発光で、白銀に輝く、温かな光が。
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