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そう告げたのは今日の昼過ぎの事。
ザイードが忙しいようにナーディアもまた国の再建に向けて慈善活動を続けているため多忙な日々を送っていた。
『はい、陛下。分かりました。』
いや———あの顔はきっと分かってない。何にも。
(ああ…緊張する、胃がどうにかなってしまいそうだ)
しかし可愛い彼女の笑顔が何度も脳裏をチラついて、ザイードはつい頬を赤くする。
それを見ていたアクラムが何か勘付いてニヤニヤと笑っているが無視した。
(欲しいんだ…彼女が)
(心から)
「はあー俺も結婚しようかなあー」
「誰と?」
そう聞くとアクラムは王室御用達の護衛服で背伸びしながら、満面の笑みで返した。
「まだ相手はいませんけどね!」
自信満々に言う事ではない…と思ったが何となく不憫で思い留まる事にした。
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