ぼくらの希望の星

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「ったく、勉強すんなよな。できる奴がしたら、俺ら平民は永遠に追いつけないだろ」 「えー、平民って。自分だって頭()いくせに。で、(あお)は部活は? どうするの」  あいかわらずのさらさらショートボブに(こう)()(しん)(おう)(せい)な瞳、ハキハキした物言いだ。制服姿になっても、ありなは基本的にはなにも変わっていない。  僕らの関係はたとえるなら(しん)(せき)、いとこに近いかもしれない。近所というほどじゃないけど、お互いの家がどのあたりにあるか知っていて、ほどほど大きな町で、なんとなく一緒に育った者同士で――。  ただ中学に入って以来、全学生の顔半分はマスクで(かく)れているから、今、ありながどんな表情をしているかまではわからなかった。 「部活か。サッカー続けようかと思ってたんだけど、こういう状況だと迷うよなぁ」 「迷うって? なにを迷うの?」 「だって練習や試合は、コロナで思うようにはできないかもしれないだろ。まぁ外部活は吹奏楽部や合唱部よりましだろうけど」
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