2:街のなかへ

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2:街のなかへ

物語の世界に浸っていた私は、窓を叩くような音にはっとした。 顔を上げると、ベティが前足を器用(きよう)に使って窓を開けようとしている。 「ベティ! ダメよ」 必死に声を出すものの、彼女はサイレントレインディの街中へと飛び出してしまう。 どうしよう、と思った。 今、外に出るとおばあさまとの約束を破ってしまう……。 「すぐに戻ってくれば大丈夫よね」 ベティを探し出して、それでちょっとだけ街を探索(たんさく)して、帰ってくればいいだけだ。 私はこぶしを握り締めた。
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