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 これが、クライヴとスカーレットの出会いである。あれから一体、何人を葬ってきたか分からないほどだ。正しく言えば返り討ち、だが、血染めの両手であることは変わりない。  ふと、竜車が止まった。王都の城壁が見える。  クライヴはローブを被き、顔を隠す。 「今回はあくまで様子見だ。だが、合図をしたらその後は頼んだ」 「様子見、とか言いつつ、貴方の予感は百発百中なのよねー。怖い怖い」  じと、とクライヴがスカーレットを睨む。  無駄口を叩いてないで、さっさと行くぞ。とクライヴが歩き出す。その後をスカーレットがついて行く。  まだ昼間だというのに、空には紅い月が昇っていた。
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