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再婚
母子家庭で父親が早くに無くなっていた俺、でも母親は、父が亡くなっても俺が続けたいと言ったお金のかかる舞台子役を続けさせてくれている
そうしていればいつの間にかテレビドラマにも出るようになり、実力派イケメン俳優と言われている、そんなことだから【有名人】と【イケメン】、ついでに言えば成績もそこそこ悪くないそんな俺に群がる女、お前らが欲しいのは有名人でイケメンの彼氏であって俺の中身なんて如何でもいい、そんな事がわかっているのだが、煩わしいが人前に出る俳優という職業柄、無碍に扱うこともできない、毎日毎日学校で取り巻き達の女の相手、幼い頃からの男と友達は羨ましいぜなんて茶化していると思ったら俺の友達と言う位置を利用して取り巻き達に手を付けているらしい、友達も結構イケメンなのだ、手を付けられているならそっちに行けよと言うのが本音であるがいつのまにか小学校から長い付き合いである、まぁ多少の友情と言うものもあるが彼女たちが自分の有名人ブランドを利用して、イケメン実力派俳優に近づけるお友達女子と言う地位を確立させて好き放題している事にはちがいない
そんな日々の中、母親が再婚したいと言い出した。
相手も死が愛を奪った人らしく、父子家庭で俺の1つ上の娘がいるとか
つまり姉ができるわけで、どんな女が来るかは知らないが、家に女がいるなんて家でもめんどくさい女の相手をしなければならないのか?なんて幸せそうな顔して相手を語る母親、そして俺を不安そうに見る俺の大事な女性にそんな酷い事を言えるわけもなく、母さんが幸せなら良いよと言うしかない
そうすれば嬉し泣きしながら母親はありがとうと言って、
「きっと今まで以上に幸せになれるわ」
と微笑んでいった。
翌週に顔合わせ、父親になると言う人は朗らかな笑顔をしている優しそうな人で、その娘という人はといえば、瓶底眼鏡に伸ばし放しの黒い髪、誰とも目を合わせようとせず下を見てそわそわして落ち着きのない、THE根暗だ、こういう奴が惚れてくるのが一番うざいのだ、優しくすれば付け上がり恋人気取りで甲斐甲斐しく俺の世話をしようとする、そして怪しい食べ物だとかレター用紙ぎっしりの愛の手紙、後には彼女気取りのストーカーとなると言うことが3回あったことがあるからわかる、まぁその都度、取り巻きが何とかしてくれて居る、イジメられる彼女達を無視すれば彼女達は絶望してもうストーカーなどしなくなる、まぁ、学校であることない事言いまわって騒いでいて、似た内容のSNSのコメントなどを見る限りアンチにでも混ざってそうな話をたまに先輩とかから聞くからストーカーからアンチに転生してるのだろうとなんの感情も無く思う 、どうでもいい、そんな女どもになんて付き合ってられない
さてそんな気質の有りそうな根暗地味子、惚れられたらめんどくさい、それもひとつ屋根の下で暮らす相手、どうするかなぁと思っていれば自己紹介で目が合う、「笠野良輝です」と営業スマイルで言えば瓶底眼鏡の奥の目が少し大きくなる、姉になる人はさっと目を逸らして「佐藤史子です」と小さく言う、すると父親になる人が「史子は人見知りでね」と言って笑うので「気にしてません」と返事を返す、俺が芸能人と気がついて驚いたのだろう、普通の女子ならそこで頬を赤く染めるが今も所史子が俺に興味を持っている様には見えないがあまり親密にならないようにしなければなとその反応に過去の女達と少しの違いを感じながらも警戒するのだった。
そのまま話はどんどん纏まり、1週間後にはいつの間に建てていたのか新居で家族4人で住むことに、きっと俺たちが断らないとわかっていて母さんと誠治さんで話して建てたのだろうずるいなぁと思いながらも母さんが本当に幸せそうだから俺も嬉しきなる、そして引っ越しも終わって今日から住むというのに二人とも子供は高校生だから大丈夫と言うことで両親二人で建てた新居で1日しか過さず二人は新婚旅行に行くことに、人生2度目の新婚旅行に幸せそうに旅立った。
「「じゃぁ行ってきまーす!!」」
「行ってらっしゃーい」「行ってらっしゃい」
楽しそうに旅行に行く両親
そして玄関に残されるのは俺と不機嫌そうに二人を見送った史子
さてどう扱うかと思っていれば史子が下から(背が小さいからどうしても見上げられる)唸るような声を出す
「笠野良輝って人気俳優の笠野良輝?」
「そうだよ」
あぁ面倒くさい家の中でストーカーなんてされたら嫌だぞと思っていると・・・
「最悪!」
「は?」
人生初めて女に最悪なんて言われた。
「あんた絶対芸名変えないでよ!そして私と姉弟なんて絶対言わないで!あんたの姉弟になったなんてバレたらファンにぬっ殺されるかイジメられるか、良くて告白の中継地点よ!!そんなの絶対嫌!せっかく目立たず大人しく平和な学校生活送っていたのに!絶対邪魔しないでよ!!」
「あ、はい」
史子は言いたいことを言ったらすぐに自分の部屋にこもってしまった。
俺は驚きながらとりあえず、面倒な事にはならないのだなと言う考えにいたりなら別に問題はないか?と言うことで自分も部屋に入り、宿題をしてドラマやバラエティーの台本チェックなどをして過ごす。
昼に食事をしにダイニングに行った。史子はまだ部屋のようだ俺は適当な食事を作るどうも史子はまだ食事を取っていないようだから一応聞いとくかと、部屋をノックする
「えーと、史子さん?昼食作ったけど食べる?」
すると「いらない!!」とキレたように言われる、なんで気を使ったのにキレられたのだと少し理不尽さを感じながら俺はダイニングに戻って一人で食事をとる、成長期で腹にはいくらでも入るし、いらないと言われたので残さず食べた。
昼からは仕事があるので現場に行く、今日はバラエティーのロケハンだ
仕事が無い待ち時間は学校から出されている出席しない代わりの宿題をして過ごす、
芸能人の多い学校だからこの辺は凄く気が利いていてとても助かる
未成年が働けるギリギリまで働いて家に帰る、史子の部屋の前を通れば何をしているのか叫び声とか聞こえる、ゲームでもしているのだろうかと思いながら部屋で荷物を置いて風呂に入る、風呂から上がってミルクを飲むためにキッチンに行く、ミルクを飲みながら周りを見て、異変に気が付く、自分が昼にかけておいた食洗機の食器はそのままなのに食器が増えた形跡が無い、自分の分だけ片付けたのか?冷蔵庫の中身も減っていないような?気のせいか?何となく、あぁなんとなくだ、史子の部屋の扉をノックする
「史子さん?今日食事した?」
そう聞けば
「食べたから気にしないで!!」
まだゲームの途中だったのか怒号が飛ぶ、なんだか気にしたのが馬鹿みたいだ、
もうこいつに取り合う方が馬鹿らしい、心配しているのに怒鳴られるのだから、俺は自室に戻る、そして人より多い宿題をこなして今度のドラマの台本読みをして眠る、明日は学校だ、学校はあまり好きじゃない、仕事をしていたい、朝から仕事があれば学校なんて行かなくていいのにと思いながら布団に潜る
翌日、ダイニングに行くと瓶底眼鏡で目つきの悪い史子が眉間にシワを寄せながら眠そうにしてパンにかじりついている、なんでそんなに眠そうなんだ?まさかあまり考えたくない結論に至る
「まさか?寝ていないとかないよな」
思わず素で言えば不機嫌そうにコクリとうなずく史子、嘘だろ!?何時間ゲームしているんだよ!時間考えろ!学校の授業をちゃんと受けているのか!何て朝から説教もしたくもなければ関わりたくもないので自分の分の朝食を準備する、 静かに黙々と食べ、忘れ物が無いかなど確認していれば登校時間ががかぶって一緒に家を出た。だが史子は早足でどんどん先に行く、何をそんなに急いでいるのかと思えば程よく離れたところで早足をやめるどうやら一緒に登校したくないだけだったようだ、
学校に行けば普通の生活、姉となる史子はもともと同じ学校だったらしいが話も聞いたこともないし、本当に目立たず騒がず生活してきたんだなと思いながら見ていれば、先を歩いていた史子に似たようなジャンルに居そうな男が声をかけ、2人はコソコソと話しながら校舎に入っていく、そんな変な史子達を見て、学校にも知らない世界がある物だと思った。知りたくもないが、
学校生活は普段通り、苗字が変わったことで「新しい父親どう?」「兄弟増えた?」とか聞かれるので適当に「新しい父親はいい人で早速新婚旅行中だ」と言えば「やるねぇ両親!」とか言って騒ぐのだった。
苗字は良くある佐藤だから史子の事はバレないだろう、
そんな感じで普通の生活を1週間過ごしながら明らかにおかしい事がある、いや前とは変わらない、いや、変わらなすぎる!!!
母が出張の間と一緒だ!使われるのは一人分の食器、毎日着替えているように見えるのに一人分の洗濯物、おかしすぎる!!
俺はついに史子の部屋を勝手に開けた
「うわ!何!」
史子は部屋では瓶底眼鏡じゃ無くてブルーライト対応の眼鏡なのか別の眼鏡をかけていた。その顔は普段から瓶底などかけず、その顔でいればいいのにと思うほど可愛らしい顔をしている。だがそれよりも・・・その部屋だ!部屋の中は脱ぎ散らかされた服、散らかる携帯食とエナジードリンクと炭酸のペットボトル達と心ばかりの野菜ジュース、たった1週間のうちに見事な汚部屋である
「なんだよこの部屋!飯も食っているとか言っていたのに携帯食かよ!!」
俺は部屋にあった袋を掴んでとりあえず服を掴み上げて言うと史子はうるさそうな顔をしながらゲームに戻る
「笠野良輝?居るわけ無いじゃんなに言ってんの?もしかしてファン?」
今まさに脱ぎ散らかされた下着を回収している人気俳優の弟など気にせずゲームをする史子、まさか、今までも父親に片付けて貰っていたのか? 年頃の女が?
「あんた今義理の弟に部屋がづけられている自覚あんのか!」
俺がそう言えば史子は悪振れるふりもなく
「え、あぁ、ありがとう」
と、画面を見ながら言う
いやいやいやありがとうじゃ無くて、
「お前もしかして学校でも携帯食か!?」
「なに!?そうだけど!うるさいな!」
画面から目を離す気なんてサラサラない、朝はパンにマーガリンを塗るだけのものばかり食べていた。つまり朝パン、昼夜携帯食を毎日して炭酸ジュースとエナジードリンクと心ばかりの野菜ジュースを飲みながら寝る間も惜しんでゲームしていると?
高校3年生の受験生のはずの姉が?
「父親の再婚相手の弟が騒いでんだよねぇ」何て通話相手に言いながら一切気にしていない、いやいやいや、気にしろよ!
1週間前まで他人だった弟に下着拾われていんだぞ!?しかも有名人の俺に!イケメン俳優の俺に!!下着!!拾われていんだぞ!?!?
「あ!ミスった!!ごめーん!」とか言って楽しそうな史子、誰だこいつをこんなダメ人間のまま放置したのは!!
「「ただいまー!」」
そう1週間経ったのだから新婚旅行から帰ってくる両親、問題児を育てたやつが帰ってきた。 俺は怒りのままに史子の腕を掴んで部屋から連れ出す
「え!ちょっと!まだプレー中!」なんて騒いで暴れるが関係ない! 無理やり二階の個人部屋のスペースから階段を下りて玄関まで二人を迎えに行く
「あ、良輝くん!ただいまぁ」
「良輝!史子ちゃんお土産いっぱい買ってきたわよぉ!」
楽しそうな二人に俺は言う
「母さん、こいつやばいよ」
「「へ?」」
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