進路、神様。

2/3
前へ
/3ページ
次へ
その後、お母さんに自分の気持ちに嘘つかず正直に伝えたところ、 「自分のやりたいようにやればいい、お金の事や私の事は気にせず、専門学校へ行きな」と背中を押してくれた。 お母さんは泣いていたが、それはきっと嬉しくて泣いているんだろうと思った。 それから、進路が決めるのが遅かったので、寝る間を惜しんで勉強に励んだ。 お母さんも私の為にと言いながら、パートのシフトも増やしてくれた。 正直休めるときは休んでほしかったが、お母さんは頑張るぞ!って炎を一度でも燃やしてしまうとなかなか鎮火しないのでそれが困りごと。 でも、私の為にありがとう。 私。意地でも頑張るから。 * 三月。 卒業前に第一志望の専門学校に無事合格。 猛勉強したおかげか特待生の枠で合格できたので入学金と授業料は免除に。 お母さんに迷惑かけずに済んだのだ。 今まで散々好き勝手やってたので、ここでは踏ん張らないとという気持ちが一つ叶ったみたいだ。 進路を決めてからギリギリだったけど自分のやりたいことに妥協しなくて良かったと思う。 十二月のあの日。 あの仔犬のおかげで自分の道を切り拓けた。 また会いたいな。会って”ありがとう”を伝えたい。 あの子に会わなかったら自分の人生どうなっていたのかなと思うくらい、とても大きな出会いだった。 今どうしているかな。元気にしていると良いな。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加