4 悪意か善意か

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「リナ、2人の時はそんなに畏まらないで気軽に接して。リナも薄々分かってると思うけれど、いずれはこの商会の担当は父から引き継ぐ予定なの。だからリナとは年も近いし仲良くなりたいわ。よろしくね」 サラお嬢様の笑顔に曇りはない。本当に私と仲良くなりたいと言っているように見える。 曇っているのは私の心だけ。 私は膝の上にのせた手をきつく握りしめていた。絶対に動揺した姿を見せたくない 誰もサラお嬢様のことを悪く言わない。 ルーカスとお似合いだと 交渉が成功したら婚約するのではないかと そんな2人の噂ばかりが耳に入ってくる 私の心はどんどん蝕まれていった
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