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何か元気ないし、そういう時は美味しいものを食べると元気でるから。あれ、単純かな俺」
屈託のない笑顔が眩しい。エミリオは取引先のお店に勤める従業員だ。うちの商会へ品物を届けてくれたり、新商品の営業に来たりと何かと顔を合わせる機会が多い。
こんな風に帰り道に会うこともあって、
取引先の方だし、何度か食事の誘いを受けたことがある。
今までは……。
でも、ルーカスに誤解されたこともあるし、
さすがにもう断わろう。
「エミリオ、私━━」
「荷物重そうだね? 持つよ、さぁ行こう、ね?」
野菜などを購入していた私は、買い物袋を持っていた。エミリオはヒョイッと私の手から買い物袋を取ると、先に歩きだす。
断るつもりだったのに、買い物袋を持つエミリオを追いかける形となり、結局お店まで一緒に来てしまった。
窓辺の席に案内されて、私達は隣り合わせで座った。
どうして来てしまったのだろう……。
こういう曖昧な態度が、ルーカスに誤解されてしまったのに。
そもそもエミリオは、私をどう思っているのだろう。
「リナは、何食べる?」
「えっと、じゃあ、エミリオと同じもので」
「そっか、分かった」
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