5 エミリオ

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何か元気ないし、そういう時は美味しいものを食べると元気でるから。あれ、単純かな俺」 屈託のない笑顔が眩しい。エミリオは取引先のお店に勤める従業員だ。うちの商会へ品物を届けてくれたり、新商品の営業に来たりと何かと顔を合わせる機会が多い。 こんな風に帰り道に会うこともあって、 取引先の方だし、何度か食事の誘いを受けたことがある。 今までは……。 でも、ルーカスに誤解されたこともあるし、 さすがにもう断わろう。 「エミリオ、私━━」 「荷物重そうだね? 持つよ、さぁ行こう、ね?」 野菜などを購入していた私は、買い物袋を持っていた。エミリオはヒョイッと私の手から買い物袋を取ると、先に歩きだす。 断るつもりだったのに、買い物袋を持つエミリオを追いかける形となり、結局お店まで一緒に来てしまった。 窓辺の席に案内されて、私達は隣り合わせで座った。 どうして来てしまったのだろう……。 こういう曖昧な態度が、ルーカスに誤解されてしまったのに。 そもそもエミリオは、私をどう思っているのだろう。 「リナは、何食べる?」 「えっと、じゃあ、エミリオと同じもので」 「そっか、分かった」
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