39人が本棚に入れています
本棚に追加
もしそうだったら、その、エミリオを傷つけてしまう?じゃないかと思って…」
店内は食事を楽しむ人が多く、賑わっていた。人々のざわめきが聞こえているのに、返事を待つ間は、2人だけの空間のようにも感じられた。
なんだか居づらくて、もしも勘違いだった場合は、自分の発言が恥ずかしくて、とにかく逃げ出したくなった。
「エミリオ、私、そろそろ帰るね。」
「勘違いじゃないよ」
「━━え?」
「その、俺さ、
付き合っていたってことなら、今は
別れたってことだよね?言葉のあやをとるようで悪いけど。
俺だって、そんな時につけ込むようなことはしたくない。
だから、別にそんなに深く考えないでほしい。
リナが迷惑じゃなければ、
友人として、こうして時々一緒に会ってもらえたら…嬉しいかな、なんて。
はは、都合が良すぎるかな?やっぱり……」
エミリオは、私の気持ちを知ってもそれでも友人としてあろうとしてくれる。
職場で孤立している私にとって、その言葉は荒んだ心にじわじわと滲み入るものだった。
エミリオは優しい。
だから、甘えてしまう自分がいた
「友人…としてなら」
「じゃあ、また誘うね。友人として」
ニコッと私に笑いかけてくれるエミリオ。
最初のコメントを投稿しよう!