1 誤解

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私とルーカスは家が近いこともあり、小さい頃から何かと一緒にいることが多かった。 ルーカスの父は、男爵家が経営する街で大きな商会の支店の運営を任されており、ルーカスは父の手伝いをしている。  私の父はその商会の従業員だ。小さい頃から父にお昼ご飯を届けたり、忘れ物を届けたりしていたので、従業員の方とは小さい頃から顔見知りだ。   ルーカスと私は学園も同じで、卒業してからはルーカスは父の後継者としての勉強の為に、私は慣れ親しんだ所で働きたかったので、従業員として働かせていただいている。 私とルーカスは明確に婚約はしていないが、いずれは結婚するだろうとお互いに思っていた。 今までは… 私達のことはあっという間に広まっていた。皆が知っている公認の仲であったことが災いした。ギクシャクした雰囲気から もしかして別れたのかと詮索する者がいたり、噂好きの女性から問いかけられたり。 ルーカスは平民だが容姿が整っていたので、私を疎む者がこれ幸いと噂を流したのだと思う。
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