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必死でメグミさんの手をひっかき、振り解こうとするも、かえって逆上させただけだった
このままもがき苦しんで息絶えるかもしれないという恐怖が襲ってくる
せめてほんの少しでも呼吸の確保ができないものかと、メグミさんの手に力の限り爪を喰い込ませた
血が滲んでいるが自分の爪からなのか、喰いこませたメグミさんのものなのか分からない
痛みなど麻痺するくらいに意識が朦朧としてきていた
もう━━だめなのかもしれない
「お姉さま?こっち早く」
沈みかけた意識の中
ナタリーちゃんの声が聞こえる
これは死ぬ前の幻聴だろうか
「何してる!捕まえろ」
激しい足音が近づいてくるのが聞こえる
数人の護衛の者達がメグミさんを引き剥がし拘束した
どういうわけかそこには、フェリクスとナタリーちゃんもいた
あっけなく拘束されたメグミさんは往生際
悪く暴れている
「くそっはなせ!」
暴れるメグミさんをただ静かに冷めた目でみるフェリクス
「━━メグミ、君たちには暮らしに充分な援助をしていただろう」
「ふん!そんな目で見るな!あともう少しだったのに!
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