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最終話
体調も回復した頃、レナルドお兄様から呼び出しを受けた
どんな時も表情を崩さないお兄様にしては珍しく、厳しい顔つきをしていた
部屋の空気も重く感じられ、挨拶もなく用件を述べ始めたことにサラは言いようのない不安を感じた
「サラ、あれだけ忠告したのに、君には伝わらなかったようだね。
━━サラ、もう商会を君には任せておけない
うちは信用が第一なんだ。
君たち二人揃って仕事を放棄して、何をやっているんだ!
ルーカスのことは……君の耳にも入っているよね、健康上の理由だから仕方ないとして、君の軽率な行動は見過ごせない
まるでルーカスに隠し子がいるかのように尋ねて回ったそうだね。
噂が私の耳にも届いたよ
あぁそれから、君がルーカスを略奪したとか、今はどこかの富豪の愛人だとか色々とね
いったいきみは何がしたいんだい?
この商会を潰す気なのか!」
「それは」
「何も言うな、聞け」
「この商会は私が引き継ぐ。
残念だけど仕方がない
これ以上醜聞を広めることはできない
今後ゴーテルの名を名乗ることは許さないわかるね?
ここからは兄としてだ
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