最終話

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ナタリーと待ってる」 不自由なく暮らしていて、仕事を始めて楽しかった それは全部 父が敷いてくれたレールに乗せてもらっていたにすぎない 貴族の娘としてのレールからは外れていたけれど 浅はかな考えで、他人の人生に介入して、 かき乱して何を得ただろう 他人の居場所を奪って そこに愛情があったならばまだ救いがあったのかもしれない でも自分は、想い合う二人を引き裂いただけ 色んな人の人生を混乱させてしまった マリだってあの時一緒に連れていかなければ… ルーカスも体を壊すことはなかった リナも出ていくことはなかったし デボラも巻き込んでしまった 自分も… 子供が産めないと聞いてショックだった 願望があった訳ではないけれど、 いつかは妊娠することがあるかもしれないと思っていた 気持ちの整理のつかないままに、兄からはまるで欠陥品のような扱い ダーニャお姉さまならどんな言葉をかけてくれただろう これはきっと自分の行いに対する罰だ これから厳しい現実に直面する それでも 人に頼るのではなく自分の力で生きていかなければいけない
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