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私はサラお嬢様が心配なので、自分も部屋に戻ると伝えた。
アーノルドさんがいるとはいえ、やはりルーカスと一緒にいるのは気まずい。
「じゃあ、男同士で盛り上がろう!ルーカス」
アーノルドさんは、お酒が大好きなので意気揚々とルーカスの肩を抱いて行った。
それにしても、あの時のルーカスの顔……。
サラお嬢様が部屋に戻ると言った時、一瞬だけど右の口角が上がっていた。
昔から知ってる私だから分かる。あれは、ルーカスが嬉しい時の癖。
あまり表情が豊かではないから、分かりにくいけれど。
ルーカスは、サラお嬢様が来ないことが嬉しかったの?
ルーカスに聞くことも出来ないから、憶測でしかないけど。でも、どうして? 喧嘩でもしたのかな。
答えが分からず悶々としながら、部屋へと戻った。
私の部屋はサラお嬢様の隣だ。お嬢様の着替えの手伝いが必要だろうと思い、介助をしようと扉をノックした。
「リナ、着替えなら良かったのに。」
私は、お嬢様が入浴を終えるのを待ち、着替えを手伝う。
お嬢様は、上機嫌で、饒舌だった。
「リナはルーカスと一緒に行かなくて良かったの?」
「2人は幼馴染なんですってね。」
「これからは、私も1人で着替えぐらいできるようにならないといけないわね」
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