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「平民の方はこんな時どうするの?」
もういい加減にして!
少しは黙っていて! お願いだから、放っておいて!
お土産を購入した時のウキウキとした気分から一転、私の心はどす黒く塗りつぶされていく。
どうして、そんなにルーカスとのことを聞くの?
暗に自分が平民になるかもしれないと仄めかすの?
それは、あなたが、
ルーカスと結婚すると言いたいの!
私の口から何を言わせたいの?
泣きそうな私を見て、いい気味とでも見下してるの?
優しい言葉をかけるふりして、本当は私をばかにしてるんでしょ!
もう、お願いやめて!
淡々と受け答えをしながら、
心の中では必死に叫び声を上げていた。
もうこれ以上聞きたくない。
限界が近づいてくると、これ以上心に響いてこないように、無意識に耳に蓋をする。
サラお嬢様の声が、私の耳を素通りしていくように。
もう、正直鬱陶しい…
どんどん醜くなる自分も嫌。
サラお嬢様とこれ以上一緒にいるのは耐えれなかった。
黙々と介助を終えると、即、退室した。
お茶でも飲みながら話しましょう、というお誘いも無視して。
明日へは街へ帰れる。
もう少しの我慢…
嫌な気持ちを洗い流すように、勢いよくシャワーを浴びて、ベッドに横になった。
もう、早く帰りたい
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