8 エミリオの告白

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言われた意味が分からず、自分の気持ちなど考えられずに的外れなことを言っていた。 「私…契約が…終身雇用で…」 自分でも、何を口走っているのかと驚いたほど。 「あぁ、違約金か。 それは、俺がなんとかする。 リナも、このままあそこにいるのはつらいんじゃないか?」 「私… エミリオの所で雇ってもらえるの?」 エミリオは真っ赤になりながら言葉を続ける 「あぁ、言葉が足りなかったよな。そうじゃなくてっ、 リナ、好きだ! その、うちへ来ないかって言うのは、一緒になろう。 結婚しよう、リナ ダメ…かな 少しづつでも、リナが俺のこと好きになってくれるよう努力する。無理してルーカスさんのこと忘れなくてもいい。だから… リナ?」 泣いてはだめ 止まって、お願い止まって、 と何度も唱えるのに身体は言う事を聞いてはけれない。 後から後から涙が溢れてきて、 自分ではどうしようもなくて、 心の中がぐちゃぐちゃだった。 エミリオはそんな私を見てオロオロしていた。 ぎこちなく私を抱きしめてくれて、 そっと優しく背中を撫でてくれる。 私はエミリオの胸に顔を埋めて、子供のように泣きじゃくった。 私はいったい今までルーカスの何を見てきたのだろう? エミリオから聞いた内容によれば、ルーカスは 何か理由があって別れを決心したみたいだ。 浮気が原因じゃない 私が原因じゃない そのことが嬉しいのか、悲しいのかも分からない ただ、ルーカスは私との別れを選んだ 私の気持ちなど一切聞いてくれずに その事実が重荷のようにのしかかる もう…疲れた… 苦しい…寂しい…助けて エミリオの優しさに甘えて、 エミリオにしがみつく エミリオはこんな私を受け入れてくれる この苦しみからもう逃れたい エミリオの優しさが心地良くて、 ずっとこのままいたくて、私は━━。 そうして、そのまま私は、 エミリオと一緒に 朝まで過ごしていた。
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