9 第一部 最終話

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居ても立っても居られなかった。 私は急いで自宅へと戻ると契約書を探した。 「あった!」 退職する時の項目を探す。 退職する時、 最低でも2週間前、出来れば1ヶ月前が望ましい あぁ、2週間も! 絶望感に苛まれる。2週間なんて耐えられない。 再度、注意深く確認してみる。 ふと例外の項目に目が止まった。 但し、身体的、精神的に就労困難と判断とされた場合にはその限りではない これだわ! 精神的苦痛の為に、今日限りで退職をお願いしよう。 いくら何を考えているか分からないサラお嬢様でも、契約書には違を唱えないはず。 私はエミリオから借りた袋を持って、決意を固めて商会へと向かった。 普段よりも早く来たため、まだ従業員の方はいない。でもサラお嬢様はもう来られているはず。 サラお嬢様がいると思われる部屋の扉をノックした。 「どうぞ」 「おはようございます。サラお嬢様。」 サラお嬢様は私の顔を見ると驚いていた。 「リナ、いつもより早いわね。」 「朝早くに失礼します。サラお嬢様、あのっ、突然で申し訳ないのですが、今日限りで退職させてください!」 一息で言い切ると、深く頭を下げる。 突然の申し出に、サラお嬢様は明らかに動揺されていた。 「待ってリナ、まずは座って話しましょう」
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