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居ても立っても居られなかった。
私は急いで自宅へと戻ると契約書を探した。
「あった!」
退職する時の項目を探す。
退職する時、
最低でも2週間前、出来れば1ヶ月前が望ましい
あぁ、2週間も!
絶望感に苛まれる。2週間なんて耐えられない。
再度、注意深く確認してみる。
ふと例外の項目に目が止まった。
但し、身体的、精神的に就労困難と判断とされた場合にはその限りではない
これだわ!
精神的苦痛の為に、今日限りで退職をお願いしよう。
いくら何を考えているか分からないサラお嬢様でも、契約書には違を唱えないはず。
私はエミリオから借りた袋を持って、決意を固めて商会へと向かった。
普段よりも早く来たため、まだ従業員の方はいない。でもサラお嬢様はもう来られているはず。
サラお嬢様がいると思われる部屋の扉をノックした。
「どうぞ」
「おはようございます。サラお嬢様。」
サラお嬢様は私の顔を見ると驚いていた。
「リナ、いつもより早いわね。」
「朝早くに失礼します。サラお嬢様、あのっ、突然で申し訳ないのですが、今日限りで退職させてください!」
一息で言い切ると、深く頭を下げる。
突然の申し出に、サラお嬢様は明らかに動揺されていた。
「待ってリナ、まずは座って話しましょう」
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