番外編 バレンタインの思い出

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私は家に入ると、自室へと向かった。 ルーカスから渡された包みを机に置く。 いつものように課題をしようと思ったけど、包みが気になる。 なんだろう…ルーカスからのプレゼント?まさかね。 でも気になる。よし、開けよう。 私は包みを丁寧に開いていった。 中から薄いピンクのハンカチが出てきた。 『ハンカチ?』 広げて見ると縁にはレースがついており隅の方に模様が施してあった。 『ん?』 模様と思われたものをよく見ると、文字のように見える。 これって… そこには ''To R Love L" と刺繍されていた。 『これは…リナへ、愛を込めてルーカス…?』 へ?まさか自分であのルーカスが刺繍を?いやいやいや、さすがにないよね、きっと商会の人に頼んだのね。でも、ラブって… 恥ずかしいよ…からかってるの?新手の嫌がらせ? 次の日の朝、ルーカスに問い詰めたら、まさかのルーカスが刺繍したことが判明した。私が刺繍苦手だろうから代わりに自分が贈ることにしたそうだ。何よ、どういうこと? ルーカスって、私のこと好きなの…? 『可愛いけど恥ずかしくて使えない』 ルーカスはどうして使ってくれないのかと真面目な顔をして問いかけてきたけど、使える訳がない。あんなの、見られたら恥ずかしすぎるっ。 ごめんね、ルーカス。 気づいてたよ、ルーカスの指が所々怪我してたの。きっと一生懸命練習してくれたんだね。私の為に。 本当は嬉しかったんだ。 今でもあのハンカチは大切に閉まっている。きっと一生捨てられない… 私もルーカスにハンカチを渡そうとあの後頑張ったんだけど、悔しいけどルーカスより下手だった。下手でも渡せてたら良かったかな… ねえ…ルーカス… そしたら何か変わってたかな
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