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「ごめんなさい、リナ。
ルーカスから聞いたのだけど、あなた達のこと。私が側にいてリナはつらいわよね。
まぁ、他の支店へ?確かにリナにとっては居心地が悪いわよね…お父様に相談してみようかしら。」
私は父の近くに出来れば異動できないかと相談もしてみた
「いえ、待って、他の支店でリナに何かあったら心が痛むわ。誰も知らない所にいるよりも、私の目の届く所の方がリナも安心だと思うの。」
「リナが異動になったらルーカスが気にすると思うの。
私が追い出したと思われるかもしれないわ、」
「サラお嬢様。そんなことはありません。サラお嬢様のお人柄の良さは皆が知っています。このまま私がここにいるのは…」
ゴーデル男爵家が運営する商会は繁盛しており、男爵とは言えかなりの財力があった。その財力を後ろ盾にしようとサラお嬢様の姉達はそれぞれ伯爵家などに望まれて嫁いでいる。 兄が後継者となるようで、サラお嬢様も嫁がれるものだと思われていた。
だがサラお嬢様は兄の仕事を手伝う事を望み、この商会の運営を引き継ぐ模様だ。
仕草は優雅で経営についても学ばれているお嬢様。 平民の私達にとっては今まで接したことのない別世界の方で、誰もが憧れる方だった。
サラお嬢様はこんな私にも優しい。
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