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「……俺も、……っ、俺も……響が、大好き……」  きらきらの目から、涙がこぼれる。次々流れて止まらない。壱弥を抱き締め、よしよしと頭を撫でた。愛しさで圧迫されているみたいに、胸が苦しい。 「壱弥が泣き止んだら、もう一回キスしようね」  言うと、壱弥が慌てて眉間に力を入れて、涙を止めようとするから、響は声をあげて笑った。可愛過ぎて、まだ涙で濡れる目尻にキスを落とす。  壱弥が響の頭を引き寄せ、「こっちがいい」と言うように、唇を唇で塞いだ。わずかに開いた隙間から、熱い舌が入り込む。身体を押され、響の背はソファに沈んだ。  ココアの甘さを残して、壱弥が離れる。響を見下ろす彼は、もう泣いていなかった。  浅い呼吸で肩を揺らし、何かを堪えるように、眉を寄せている。欲しくてたまらないお菓子を前に、腹を鳴らして、それでもぐうっと我慢している子供みたいだ。 「……響、もっと触りたい。……いい?」  空腹の限界を壱弥が告げる。響は腕を伸ばして、その頰を撫でた。 「……いいよ」  許可を得た瞬間、壱弥がまた響に覆い被さってくる。ゆったりとした響のパーカーは、簡単に壱弥の手を潜り込ませる。腰や脇腹あたりを撫でられ、息が詰まった。  壱弥はその手と唇で、骨の隆起や肌の感触を一つ一つ確かめるように、丹念に、丁寧に響の身体に触れた。優しくて、でも執拗な愛撫に身をよじる。 「い、ちや……もう、……触りすぎ」 「……だって、響の肌すべすべで、すごく気持ちい。ずっと触ってたい……」  低くうっとりと耳元で囁かれ、さらに呼吸が苦しくなった。壱弥が響の部屋着のパンツに手をかける。いい?と目で聞かれ、頷く代わりに腰を浮かせた。  ラフなスウェット生地のパンツは、下着と共に簡単に脱がされる。下半身を晒す格好にされ、信じられないくらい恥ずかしくなる。咄嗟にパーカーの裾を引っ張って隠そうとすると、壱弥に手を掴まれて阻止された。 「っ、……や、やだ」 「……響、ほんとに綺麗」  ちゅっと濡れた音を立て、太ももにキスが降ってくる。次は腰から下を丹念に触られる。  優しくて執拗な壱弥の手と唇は、次第に余裕のない動きになっていく。壱弥の荒い呼吸が皮膚を掠め、ゾクゾクと甘い痺れが背を這った。 「あっ……!」  壱弥がやっと、響の中心に触れた。間接的な刺激を身体中に受け、すでに緩く反応していたそれは、簡単に芯を持つ。 「ふ、あ……っ、んんっ」  声が抑えられない。なんとか喉奥で(とど)めようと、唇を強く噛んだ。 「だめだよ。……口、噛まないで。傷ついちゃうよ」 「んあ……っ、や、あ、んぅ……っ」
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