煌Side

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結月は初めての握手会に言葉を詰まらせているようだった。 その間にも残り時間は減っていく。 俺から何か声をかけるか?そう思った時、 「これからもずっと好き」 結月は俺の目をまっすぐ見てそう言った。 「え?」 「煌のこと信じてるし、何があっても味方だから」 「あ、」 声をかけようとするとスタッフにはがされてブースを出る結月。 そして、次のファンの子が入ってきて俺はまた「こんにちは」そう声をかけた。 「お疲れー」 3部制の握手会を終えると外は真っ暗になっていた。 「お疲れ。今から最終の新幹線乗るから早く着替えろよ」 事務所の代表である隆也くんがメンバーそれぞれに声をかける。 明日は福岡で5人の仕事。 最終の新幹線に乗り、前乗りすると前から伝えられていた。 「ごめん、隆也くん。俺明日始発で向かっちゃだめかな」 「……前乗りしたほうが楽だろ?他の奴らとも一緒だし」 「わかってる。でも、どうしても今日中に行きたいところがあるんだ」 そう言うと隆也くんは隣にいたチーフマネージャーと相談しはじめる。 「隆也さん、俺からもお願いします。煌のことは俺が責任持って送り届けますから」 いつの間にか隣にいた紫月さんはそう言うと頭を下げた。 「お願いします」俺も慌てて一緒に頭を下げる。 「……遅刻は許されないからな」 「ありがとう。隆也くん!」 俺は走って楽屋に戻ると学校から直接来た一吹にペンと紙を借りた。 そして、紫月さんの車に乗り込む。 マンションの前に着くと「ほら、持ってけよ」そう言ってカードキーを渡してくれた紫月さんにお礼を言い、俺は走った。 俺といたら笑顔に出来ない。 そんなことを言って本当は自分に自信がなかっただけだったんだ。 結月には俺の隣で笑ってて欲しい。 突然の訪問に驚いていた結月に握手会の延長。そう理由をつけ過去のことを全て話した。 俺が好きだと言うと結月は笑って俺の気持ちを受け止めてくれた。
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