君が隣にいれば

3/5
前へ
/165ページ
次へ
煌が使っていた部屋を綺麗に掃除し、事前に撮影していた桜の映像をプロジェクターを通じて壁へと映す。 お花屋さんで購入した本物の桜の枝を一番いい場所に飾り、廊下には桜の匂いがする香水を振りかけた。 「完璧」 これで“エア花見”の完成だ。 普通の付き合い方はできなくても、私達には私達なりの付き合い方がある。 仕事で忙しい煌が少しでも癒やされる時間になればいいな。 最後の準備であるレジャーシートを部屋に敷いてるとインターホンが鳴った。 「いらっしゃい」 「お邪魔します…ってなんか花?の匂いがする」 よしよし、香水の効果あり! 「煌が使ってた部屋のドアを開けてみて」 私がドアの前で立ち止まると言われたとおりドア開ける煌。 「……これって」 「じゃ〜ん!エア花見です」 「全部結月が準備したのか?」 「そう!お弁当も作ったんだよ」 「結月……お前って本当最高だな」 煌はそう言うと私の手をギュッと握る。
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

166人が本棚に入れています
本棚に追加