君が隣にいれば

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「本当に結月と花見に来たみたいだ。あ、スリッパ脱がないと」 煌はそう言うとレジャーシートの横に脱いだスリッパを並べる。 映像の桜が風に舞うのを見ながら、私は煌の肩に寄りかかった。 「あーあ、今年は受験か」 進学を希望している私はきっと今まで以上に煌と会えなくなるだろう。 「……受験が終わったら旅行にでも行く?」 「えっ!?いいの?」 「隆也くんと紫月さんに相談してみる」 「わ〜じゃあ、それをモチベーションに頑張るね」 「おう。その頃には結月も高校卒業してるしな」 『ゆづが高校を卒業するまでは、節度を守ったお付き合いをすること』 煌との交際が始まった時、お兄ちゃんが口にした言葉が頭に浮かぶ。 「俺もモチベーション上がったわ」 「……ぜ、善処します」 「そうだ。ケーキもここで食べようぜ」 煌がうちに来る途中に買ってきてくれたケーキには半年記念を意味する6という数字のロウソクが刺さっていた。 「これからもずっと、煌の隣にいられますように」 私はそう願いながらローソクの火を吹き消した。
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