推しと恋は別ものらしい

21/29
前へ
/165ページ
次へ
確かに私達には勿体ないぐらいの家だった。 セキュリティもしっかりしているし、ここなら煌も安全だろう。 だけど、急にそんな話をされても。 私達は一体どうすれば……。 「なんでだよ。そうじゃなくて、煌も一緒に住むんだよ」 「……一緒にとは?」 「うちで煌を預かります!」 「な、なんでうちに煌?」 「スタッフ、マネージャーの中でセキュリティがしっかりした家にメンバーが割り振られたんだよ」 多分、今の言葉が全てなのだろう。 煌がここにいる理由にも納得がいった。 けれど「はい、そうですかー」と受け入れられるはずもなく……。 「つ、つまり?」 「今日から煌がうちに住むから身の回りの世話は頼んだぜ!って話」 いやいや、そんな重大なことを予告もなしに頼まれても……! 「……む、むり」 Bijouの一色煌と同居? 「おはよう」から「おやすみ」まで一緒ってこと?? それじゃあ、ラッキースケベ的なことも……? 「きゃっ、ごめんなさい!入ってると思わなくて」 「俺の方こそごめん(滴り落ちる水)」 無理……………無理無理無理無理。 煌の裸とか見れない。 (自分が覗かれる方だとはこれっぽも考えていない) 「お兄ちゃんよく考えてよ。あの煌がうちになんてありえないでしょ?」 さっきの妄想で……いや、話に夢中になってたせいで渇いた喉を麦茶で潤す。
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

161人が本棚に入れています
本棚に追加