「プロローグ」

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「プロローグ」

僕は、中学一年生の2学期に転校先の中学校で、 彼女と初めて会った瞬間に恋に落ちた。 たぶん初恋だったと思う。 彼女は、バレーボール部、僕は野球部。 クラスは別々で教室も1階と2階で離れていた。 彼女が、確か階段の踊り場で、友達としゃべってる横を 僕が、通り過ぎたとき、そうあの瞬間、 どれくらいの時間だったか覚えてないけれど 僕の足が動かなくなって、彼女を見つめていた。 彼女も友達の方ではなく僕を見つめていた。 1000年の時を超えて、僕たちは巡り合った。 そう思えるほど、 出逢った瞬間に、僕たちは恋に落ちた。 身体が熱くなり、心臓の音がドクドクと聞こえた。 この恋は、決して叶わないことはわかっていた。 なぜなら、彼女はとても可愛くて人気者だったから でも、僕は諦めたくなかった。 彼女のことが好きで好きでたまらなくて、 いつも目で彼女を追っていた。 彼女の姿を遠目に見ては、「やっぱり可愛いなぁ」って思っていた。 ずっと、ずっと見ていたいと思った。 僕にとって彼女は、初恋の人だったからだ。 出会って10日ほど経った 月曜日のお昼休みに彼女が僕のクラスに現れた。 同じクラスの松本さんが、 「初対面?同じバレー部の海原靖子さん」と僕に彼女を紹介してくれた。 「あだ名は、カーコ小学校からの親友」 「転校生の、微笑 猫太君あだ名は、ラフ・キャット」 カーコは、ちょこんと首を縦に振って 照れくさそうに声をかけてくれた。 「ラフ・キャット君どうしてあの時、私の目をずっと見つめてたの?」 身体が熱くなって多分僕の顔がみるみる赤くなってるはずだ。 松本さんがクスクス笑ってる。 「海原さんが可愛いからかなあ」 勇気を振り絞って僕が言うと今度は、カーコの顔が赤く染まった! 二人の顔を交互に見ながら松本さんは、今度は、声を出して笑った。 僕とカーコは、クラスが違うだけではなく 僕と、松本さんのクラスは2階でカーコのクラスは1階だった。 カーコの顔を見るには、1階に行かないといけない。 カーコに見つかるとまた「私に会いに来たの?」 ってからかわれそうだったので、 なかなか会えない日が続いた。 あいつ「海原さんが可愛いからかなあ」って うれしいけど恥ずかしかった。 あの日からラフ・キャットのことばかり考えてる。 クラスが違うし、私の 教室は1階で 彼の教室は2階 だから 教室を出たら彼に会えるってわけではない。 あれから1週間経つのに 彼とは一度も顔を合わせていない。 そろそろ限界かも、会いに来ないということは、 私のことに関心がないのじゃないか? 可愛いとか言っておきながら 寂しさや悲しいというよりも だんだん腹が立ってきた。 松本さんに話に行く口実で2階の 彼の教室に 行けるけど なんか 癪に障るので 会いに行けない。 午前中 そう思いながら授業にも集中できず 過ごしていると 給食が終わった後 松本さんがラフ・キャット君を連れて 私の教室に来てくれた。 「なんかさあなた達 見てたら 可愛いね」 出会った 階段の踊り場に移動して 松本さんは僕たちに言った。 「何が可愛いの?」 そう僕がに聞くと、 「お互い気になってるくせに、うじうじとしてるところ」 くすっと笑いながら 松本さんが言った。 「ラフ・キャットは、私のこと気になってるんだ」 カーコが僕に茶化すようにそう言った。 「松本さんはお互いに気になってるって言ってるんだけど」 僕は下を向いて言った。 すると彼女は、僕が予想もしていなかった返事をしてくれた。 「私、あなたが好きよ」 僕が先に言おうとしたことを彼女が言った。 なぜ私から先に好きって言ってしまったんだろう。 「バカ バカ 恥ずかしい」 その後彼女は 、顔を赤くして下を向いたままだった。 僕は、「瞳があって君が微笑んでくれた瞬間に恋に落ちていた、 僕と付き合ってくれませんか?」って…… すると彼女は、素敵な笑顔で 「その言葉を待ってた。喜んでYES」 幸せってこういう気分なんだと僕は実感した。 そして僕たちは付き合うことになった。
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