「転校」

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「転校」

僕が中学1年生の2学期の転校先の学校で、 出会った初恋の相手が、中学2年の2学期の終業式に広島に転校することを 一か月前に彼女から聞いてから、お互い努めて明るく振る舞ってきた。 終業式の当日 彼女を囲んで数名の友達が、泣いていた。 僕の姿を見たその友達たちは、僕と彼女の間に、道を作るように分かれた。 正面に立っている彼女は涙をふいて 「一緒に帰ろう」 と笑顔で言った。 手を繋いでできるだけ明るくいつものように彼女の家まで歩いた。 今までキスもしたことがなかった僕たちは、 今日はキスをする約束をしていた。 お互い照れながらキスをして僕は彼女を抱きしめた。 一気に感情がこみ上げて二人で泣いた。 文通をすること もし好きな人ができたら必ず報告すること この二つを約束して 僕は、重い足取りで自分の家まで帰った。 「ピンポーン 」家のチャイムが鳴った 。 出てみると彼女の親友の松本さんが、 「 カーコが制服を第二ボタンを欲しいて言ってるよ」 「自分で渡すよ」 と家を出て 二人で彼女の家まで行った。 大方引っ越しが終わっていて、彼女は数名の友達と写真を撮っていた。 友達が気を使ってくれて 二人のツーショット写真を何枚か撮ってくれた。 最後に握手をして 引っ越しのトラックを見送った。 文通は高1の2学期の終わりごろまで続いた。 彼女は引越し当初、「寂しい寂しい」と言ってた。 だんだん向こうの学校にも慣れ友達のことや 学校行事のことを 手紙に書いていた。 スヌーピーの封筒と便箋の手紙の最後には 必ず「会いたい」 と書いてあった。
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