11人が本棚に入れています
本棚に追加
幼い頃の夢だった。
背の低い僕は、父に抱かれ、母に手を伸ばしている。母は笑ってその手をとる。
小さな手ね、と母が笑うと、父も抱き上げた手とは反対の手で僕に触れた。
僕は無邪気に笑う。
その笑顔につられて、母と父も微笑む。
「大好きだよ」
そんな言葉がいつも飛び交っていた。
僕は母と父の間で眠るのが好きだった。
毎日、母と父の間に割り込み、川の字になって寝ていた。
そんな過去の毎日の、幸せな夢だった。
最初のコメントを投稿しよう!