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「僕ら十歳ですよ?」
「翡翠くん、へんたいはね、理解されないからへんたいなんだよ。深く考えちゃいけないよ。ほら三人とも教室行くよ。猪さんがお昼寝できないだろ?」
「はーい」
平和に教室に戻ろうとしたとき、それはまた聞こえてきた。
「翡翠きゅーん! 風きゅーん! 水きゅーん!」
僕らに向かって走ってくる理事長。
「もう復活したのかよ!」
「怖いよー!」
フーフーもスイスイもドン引きだ。
瑞希先生が理事長を指差す。
「行け! 猪さん!」
「ブヒーー!!」
命さんは何にも迷わずに理事長に体当たりをして、理事長はまた吹っ飛んでいく。
「それとな、へんたいはタフなんだ。いくら打ちのめしても大丈夫だから」
「……はい……」
つい声が小さくなった。僕らは朝っぱらから何を聞かされているのだろう。悩むだけ無駄だって分かってるけど。
「じゃあ教室行こうか。みんな、にょんたんず待ってるよ」
最近分かってきた。瑞希先生はちょっと怖いかも知れない。
十二月に続くよー!
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