にじいろの龍のおはなし

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ゴツゴツと硬い鱗を想像していたけれど、それは庭に咲く木蓮の花びらのように滑らかなものだった。そして龍は大きな体をフワリと浮かし、僕らは風になった。 湖が小さく離れていく。 山間にポツポツと光る家の灯は尚小さく、散らばる星達の輝きに似ていた。 『僕の家だ!!』 まだ灯りがついている。パパがきっと小説を書いているんだ。 僕はあの連載をすごく楽しみにしている。 いつも1番の読者になれるのが、僕の自慢で、読めない漢字をママに聞いても、ママも『わからない』というから、一緒に辞書を引いて、 『そっか!』と頷くと、 ママはママのお父さんの言葉を僕に教えてくれた。 景色はぐんぐん変わる。ここはどこだろう? さっきよりも暖かい。 緑の山々は消え、代わりに色とりどりの山が見える。 柔らかな木々の香りも消え、鼻に刺さるごちゃ混ぜの匂いがする。 よく見るとそれは、
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