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今夜は、ぽっかり月の夜。湖に浮かぶまんまるお月さまと睨めっこ。
弓張月から数えて7夜、神様の大きな集いのあるハンターズムーンの夜に、虹色の龍が現れるんだって、ママが言ってた。
水無月のストロベリームーンの夜、あんなに鳴いていた蛙は息をひそめ、鈴虫が涼しげな音色で静寂を静寂のまま彩っていた。
僕は待った。お爺ちゃんが作ってくれたハンドドラムを叩きながら。
蜜蝋を底に塗ったモカシンで、大地を踏み鳴らしながら。
太鼓のリズムは母なる大地(マザーアース)の鼓動だって、ママが歌に合わせて教えてくれた。
僕は待った。だって僕のママは、嘘をついた事がないから。
たった一つ以外は。
パパがバックパックに羊の毛のブランケットを入れてくれて良かった。フワフワに包まれて寝転ぶと、空を見上げた。
月の光が近隣の星々を飲み込んでいる。
『あの星に誰かいるのかな?』
そう思ってすぐ、
『あの星にいる誰かも、地球を見上げてそう考えているのだろう』
と思った。
その時、あたたかな風が立った。
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