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風邪薬のヒミツ
風邪を治す薬を発明したらノーベル賞
と言われています。
あれ?
市販薬にも風邪薬はあるし、病院に行っても風邪薬を処方されるけど?
と思うかも知れません。
実は、風邪を治す薬はこの世に存在しません。
薬には「治療薬」と「対処療法薬」とありますが、風邪薬は「対処療法薬」なのです。
これはどういう意味なのか。
風邪薬の成分は、ウイルスにはなんのダメージも与えません。
ウイルスをやっつける働きのある風邪薬は、まだ発明されていないのです。
では、風邪薬の効能とはいったい何なのでしょう。
おうちにある風邪薬を、どれでもいいから見てみてください。
こう書いてあるはずです。
「かぜの諸症状の緩和」
どこにも、かぜの治療とは書かれていません。
風邪薬は症状を緩和しているだけであり、ウイルスに対しては何の働きもしていません。
風邪薬を飲んだら治ったけど?
という人も多いと思います。
これ、薬はサポートしたかも知れませんが、風邪のウイルスを撃退した正体は
あなた自身の「免疫力」でした。
結論から言えば、
「風邪は薬を飲まなくても自分の免疫力で治る」
ということになります。
とは言っても、飲まないとつらいと思うので、必要に応じて服用しましょう。
では、風邪薬を飲むとなぜ楽になるのか。
体内にウイルスが入ってきたため、アレルギー反応を起こして、せき・くしゃみ・鼻水・涙目などの症状を出すことで、体はウイルスを体外へと追い出そうとします。
これが、人間にとってつらいわけです。
そこで、風邪薬には、アレルギー反応を抑える成分が入っており、ウイルスを外に出す反応を和らげてくれます。
よって、鼻水が減ったり、咳が減ったりして楽になるわけです。
咳については、薬の成分が咳をするよう命令している脳に直接働きかけて、咳反応の回数を減らします。
あと、薬の成分によっては、気管支を広げたり、たんを排出しやすくしたりするなどの働きがあり、それで体が楽になるのです。
喉が痛い、頭が痛い、熱がある、などの症状を抑えるのが解熱鎮痛剤ですが……
熱は完全に下げてしまうと免疫力が下がってしまい、風邪の治りが遅くなってしまいます。
なので、あまりの高熱でつらい時とか、喉が痛くて我慢出来ない時などに薬を使うといいです。
熱が下がる = 治った
と考える人は多いですが、薬で熱を下げても、それは治ったことにはなりません。
だったら、耐えられる範囲で発熱を継続し、免疫力を高めてウイルスを撃退する方が早道ともいえます。
体温が1℃上がると、免疫力は数倍に上がると言われています。
逆に、体温が下がれば当然、免疫力も下がります。
体を冷やすと風邪をひく理由は、厳密には免疫力の低下が原因なのです。
余談ですが、南極大陸では、あんなに寒いのに風邪をひく隊員はいないそうです。
人間は寒さで風邪をひくのではなく、免疫力がウイルスに負けたときに風邪をひく、ということです。
発熱はウイルスのしわざ、と思われがちですが、厳密にはウイルスに発熱作用はありません。
体内にウイルスを見つけた免疫細胞が、体温を上げるよう脳に指示する物質を出すことで発熱します。
つまり、人間が自ら発熱しているのです。
発熱する理由は、前述の通り、免疫力を上げてウイルスを撃退するためです。
発熱すると、人間自身も弱りますが、ウイルスも弱ります。
毒を以て毒を制す、みたいな感じですね^^;
風邪を引いたら、とにかく体を温めて体温を上昇させ、免疫力を上げましょう。
発汗に備えて、水分や塩分も補給しましょう。
お医者さんは、自分が風邪をひいたら風邪薬は飲まない、とよく言われます。
では、実際にはどうなのか。
お医者さんは、熱は免疫力向上のために必要なものだと分かってはいますが……
やっぱり、高熱でつらいときは薬を飲んでいるそうです^^;
高熱は苦しいですからね^^;
熱は上げすぎず、下げすぎず、自分が風邪と戦えるくらいの発熱を維持できれば、風邪は早く治ることでしょう。
風邪の原因となるウイルスは200種類以上あり、風邪ウイルス全般に効く薬の開発は難しいようです。
さらに言えば、ウイルスは「変異」するんですよね^^;
あの新型コロナウイルスも、さまざまに変異していきました。
なので、ワクチンを接種しても感染する人が続出したのです。
人間とウイルスの戦いは無限に続きます。
なので、風邪のウイルスを撃退する薬、つまり風邪を「治す」薬を開発すればノーベル賞、間違いなしです。
風邪を治すのは、薬ではなく、自分自身の免疫力。
そのことを意識して、これからの季節を乗り切っていきたいですね!!( ღ’ᴗ’ღ )
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