命のバトン

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 玄関先で中村さんのお母さんから合鍵を手渡された。 「気にせず出掛けられるし私も助かるー」 「え…本当に?大丈夫なのかな?」  戸惑いつつもその鍵を受け取った。  余程の事がない限り使うつもりはないけれど、何だかとても嬉しかった。 「送ってくるからチビたち頼むね」  中村さんがそう声をかけて私と一緒に玄関を出た。 「そんなに遠くないんで大丈夫ですよ?」 「ダメダメ。ちゃんと送らせてよ」 「ありがとうございます」  暗くなった土手を2人で並んで歩く。  不思議だな…。  出会ったばかりなのにずっと前から知り合いだったみたい。 「もうちょい家が近かったら学区一緒だったのにな」 「不思議な縁ですね」
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