命のバトン

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病院でも2匹はずっと寄り添い合っていて、離すと悲しそうに鳴いて呼び合った。捨てられてから間もなかった様で、健康状態に問題はなかった。かつてチコもリュウガもお世話になっていたその動物病院から今後の予防接種のスケジュール表などを渡されたが、診察代は無料だった。 病院からの帰り、私たちは分かれ道で立ち止まった。お互い考えている事は同じだった。 2匹を離したくない。 「暫くうちで預かっていい?」 中村さんがそう言った。 「…はい。お願いします」 上着に包んだ仔犬たちを渡そうとすると 「時間あるなら一緒に来てくれる?」 そう言われて、そのまま仔犬たちを抱いて中村さんの家に向かった。
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