第二十七話 拘束

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第二十七話 拘束

ツカッ、ツカッ、、、 ツカッ、ツカッ、ツカッ、ツカッ、、、 ツカッ、ツカッ、、、 ツカッ、ツカッ、ツカッ、ツカッ、、、 「ウッ!、、、ゲホッ!」 ツカッ、ツカッ、、、 ツカッ、ツカッ、ツカッ、ツカッ、、、 「アッ!、、、ガァ、ハアァー、、、」 あ、、、あかん、、、身体中あちこち痛い。目も開かへんわ、、、ど、どないしたんや、、、 ツカッ、ツカッ、、、 ツカッ、ツカッ、ツカッ、ツカッ、、、 な、何や、、、この音、、、 ツカッ、ツカッ、、、ツカッ、ツカッ、、、 ツカッ、ツカッ、、、ツカッ、ツカッ、、、 腕がダルい、、、何かに引っ張られとるようや。動かしたらギシギシ音がなる。 ツカッ、ツカッ、、、ツカッ、ツカッ、、、 うん、足音?、、、そうや、この音は足音や。1人やないな、、、2人か?だんだん音が大きなっとる。 ここはどこや?どこかの部屋みたいやけど、、、俺は確か、、、 そうや、憲兵が家に来たんや。憲兵隊とやり合って、連行されたんやった。 ちゅうことは、、、ここは憲兵隊の駐屯所なんか? ツカッ、ツカッ、、、ツカッ、ツカッ、、、 ん?ユキ!、、、ユ、ユキは、、、 いや、大丈夫や。アイツ等、、、小太り男以外はホンマもんの(おとこ)やった。ユキに危害は加えんやろう。ヒロシもおるしな、ひとまず心配いらんやろ。 それにしても、あの小太りはホンマキモかったわ。頬っぺたツルツルやったな、、、 ツカッ、ツカッ、、、ツカッ、ツカッ、、、 ギギーッ ツカッ、ツカッ、、、ツカッ、ツカッ、、、 だ、誰か来よった、、、 ツカッ、ツカッ、、、 「最近どうしたの、愛莉花(えりか)のこと嫌いになったの?」 「お、おい、バカ!、、、誰かに聞かれたらどうすんだ!隊の規律で恋愛はご法度だろ」 「バ、バカって何よ!だって、、、だって最近冷たいんだもん。他に好きな子できたんでしょう!」 「、、、入れよ、中で話そう」 「誤魔化さないで!」 「人に聞かれる、、、入れって!」 やっぱり2人や、、、なんか揉めとる、、、 ツカッ、ツカッ、、、 バターン!ガチャッ! ツカッ、ツカッ、、、ツカッ、ツカッ、、、 「聞かれたっていいわ!どうなのよ、答えなさいよ」 「、、、お前だけだ」 「う、嘘よ!」 「、、、本当だって」 「じゃあ、奥さんとはいつ離婚(わかれる)の」 「そ、それは、、、」 「離婚するって言ったじゃない、、、あれは嘘だったんだ、、、嘘だったのね!」 「、、、」 「ひどい、酷いわ!(もてあそ)んだのね!」 「おい!ちょっと落ち着け」 「落ち着いてるわ!私は冷静よ!」 「いいから、黙って聞け」 「何よ、、、」 「入隊式の日、お前と出逢った日から、俺の気持ちは少しも変わっていない」 「えっ、、、」 「いいか、一度しか言わないから、しっかり聞け」 「、、、な、何」 「俺は、、、俺はお前に惚れてる」 「キャッ」 「妻との関係は、とっくに終わってる。子供が独立したら、お前と所帯を持ちたいと思ってる」 「、、、信じて、いいの」 「ああ」 「ご、ごめんなさい、、、だって愛莉花、寂しかったんだも〜ん」 な、何やこいつら、、、デキとるんか、、、 「機嫌なおったようだな、早速仕事するぞ」 「ちょっとー!今、いい雰囲気だったじゃない。あの流れは普通、ハグとかするでしょ!」 「ある御方からの依頼だ」 「やれやれ、、、で、何の話よ」 「そこに吊るしてる男、そいつに恨みがあって、死なない程度にいたぶって欲しいんだとよ。前払いで報酬もタンマリ貰ってる」 「ある御方って誰よ、、、あの子は昨日連れてこられた子ね」 「軍部と精通している方だ、上流階級のな。俺もそいつとは少々因縁があったんでな。クックックッ、ちょうどいい、楽しませてもらおうか」 ピピピッ、ピピピッ 「チッ、こんな時に無線だ、、、はい、ヤマモト、、、なにい!、、、分かった、すぐに戻る」 何やねん、こいつら、、、何言ってんねん、、、 ヤマモト、、、お、思い出したわ。こいつ、あん時の酔っぱらいやん、、、 「上層部からの呼び出しだ。俺は戻る、お前はここに残ってあいつを可愛がってやれ。なあ、ボビー」 「、、、」 「うん、どうした」 「もうー、本名で呼ばないで!」
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