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「おいー赤峰ー何してんだよー。行くぞー」
少し離れたところから、彼の友達が声をかけた。
ハッとする。
その友達は、なんでわざわざそんな陰キャと話してるの?しかも不良って噂の。
そう言いたげにこっちをじろじろと見ている。
なんだか、罪悪感を感じて口を噤んでしまった。
「……」
銀治君はそんな俺をしばらく見ていたが、ゆっくりと立ち上がって友達の方を見る。
「今行く!」
大きな声で返事をして、それから、
「澪君、また話そうね。じゃあ!」
そう言って少しだけ、俺のカレーパンを握る手に触れてくれた。
「…………!」
そして、背を向けて去っていった。
「………ゎ…」
たった1‐2分の話。大した会話もしてない。
でも、それでも…っ。
(……銀治君、触れたところ熱い………)
凄く心が満たされていくようだった。
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