結婚して下さい

1/1
84人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ

結婚して下さい

結婚して 30年かぁ... 夫浩一を送り出した後  ソファーの背もたれに身体を預けて 麻依はふぅっと深呼吸 振り回されてきたW 結婚生活を振り返る 夫 吉澤浩一は昔から 老若男女に  とにかくモテた 誰にでも?優しくて 魅力的だったから...苦笑 デートの待ち合わせをしている時でさえ ナンパされた女性とお茶を飲んでいて 遅れたという事もしばしば (心の声: 女性からお茶に誘われたぁ?はぁ?。。。断れよ!) 若い頃から50代になった現在も 渋さが増したせいか 未だにモテる 浩一26歳の時妻麻依とは職場で知り合った 大学を卒業したばかりの麻依が入社してすぐ 同僚の営業アシスタントについた所を 言葉巧みに掻っ攫ったという訳で 浩一の一目惚れというやつである 麻依は控えめで優しく 可愛かった...(当時) 同期の飲み会で一番に名前が挙がる程 好感度No. 1の女性だった...(当時) ただ 正義感が強く 決断力有り 実はサバサバした性格である事を 誰も知らない...(昔も今も) 浩一が同僚に婚約したことを報告すると 同僚「はぁ? 聞いてない💢」 浩一「何でいちいち    言わなきゃいけないんだよ」 同僚「くそ〜💢」   浩一は行動力があつて  仕事が すこぶる出来た 天職だと評価されるくらいに。。。 その仕事振りを見ていたからこそ 第一声が お付き合いを飛び越えて 浩一「けっ、結婚して下さい❗️」 だったとしても 麻依「えっ?! はい」と  即答出来たのかもしれない プロポーズされた事を 家族に報告すると 兄はニャッと笑いながら 「もう返事をしたんだろう?」と言った 麻依「うん」 兄「やっぱりね笑   麻衣 決めるの速いからなぁ笑」 父母「今度 連れていらっしゃい」  とまぁ 呆気ないくらいに   家族中から賛成される 結婚の約束をしてから付き合うという 今にして思えば 変則的なこの出会いに 麻依はこれから先 振り回される事になる 婚約後の浩一は 意気揚々と仕事に励んでいたが 麻依はというと 女性社員の嫉妬の渦の中 婚約中にも関わらず ズーンと沈んだ気持ちで過ごしていた こうなる事がわかっていたから 麻依「しばらく秘密にしておいてね」  口を酸っぱくしてお願いしていたのよ 前述の通り 翌日には 同僚に告げてしまっていた浩一 仕事は出来るが生活面では  麻依の話しは右から左  マイペースな人だった 何考えてんだか わかんな〜い! 頭の中を覗いてみたい(´∀`)。。。よっ  今更ですが... おかげで麻依は 今まで一緒に ランチに行っていた同僚達から 一斉に仲間外れされてしまうという 憂き目に遭う そう言えば婚約する前 末田さんが (今では旗を振って意地悪をする同僚) 末田「吉澤さんって好きな人が居るみたい」 麻依「だあれ?」 末田「...わ、た、し」 麻依「へっ?・・・」 (心の声: 鏡を見て言って欲しいよね...W) とか何とか言ってたなぁ(´∀`*)。。。はぁ 偶々麻依が不参加だったスケート大会の 翌朝には 机に着くなり 同期の麻里さんが  「吉澤さーん   昨日コート有りがとうございましたぁ  私ったら   コートの中にハンカチ忘れたみたい〜  探してくれますぅ」(≧∀≦)だって... はぁ。。。わざと忘れたのね〜 ブリブリぶりっ子ちゃんが意味深に! ここまでする?。。。嫉妬って怖い 嫉妬に狂っ私の顔が見たかったのよね でも 残念でした( ´∀`)。。。 「あら そうなの」  と静かに答える 私 実際は マグマが噴火寸前だったけれどW チラリとこちらを見た彼は 「寒いので貸して欲しいって言うから  貸しただけだよ」 と小声で言った そんな事 わかってます💢 麻依「誰にでも優しいのは逆に罪だから!    やめてね!」 しっかり釘を刺しておきましたW
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!