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6
翌朝、いただいたりんごの皮をむき、スープでも作ろうと起き上がる
隣の部屋へノックをするが返事がない
まだ寝ているのかもしれないが、様子が気になるので扉を開けた
「あれ?」
ベッドはもぬけの殻だった
椅子の上には毛布が綺麗に畳まれていた
ベッドの上に巾着が置かれてあり、中をのぞくと金貨が数枚入っていた
こんなにいただけないわ
スミレは、追いかける為に慌てて外へ向かおうとしたところを、中へ侵入してきた人とぶつかった
まだ、診療時間には早いはずだけど、急患なのかしら
尻もちをついた状態から立ち上がると、チャリンと金貨の入った袋が落ちた
頭の中に警鐘が鳴った
見た目で人を判断してはいけないけれど、明らかに人相の悪い男の人が立っていた
「金か?」
男は金貨の入った巾着に手を伸ばしていたので、横をすり抜けて外へ飛び出した
「あ、待てこら!」
追いかけてくる気配がする
「逃がすか!おいそっちに行ったぞ!殺すなよ」
物騒な言葉が聞こえる
やはり悪人なのね
泥棒か
「お嬢ちゃん、大人しくこっちにきな、ぎひひひ」
げひた笑いを浮かべる小柄な男の人が、正面に見えた
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