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ドサりと男はその場に倒れ込んだ
「おじさんデカいね、ちょっと小さくなってくれる?」
殿下は倒れた男を手のひらサイズに縮めるとポケットにしまった
「これでよしと。アルはどうなったかな~」
どこか嬉しそうに小屋へと向かう殿下
ポケットを激しく揺らしながら
✳︎✳︎✳︎
小屋に到着したアルは、扉が開け放たれているのにも関わらず、ノックをする
コンコン
「失礼する」
緊急時とはいえ、勝手に入るのは失礼にあたるから正しい判断だと自問自答する
殿下からまた真面目すぎると言われそうだ
中へ入ると奥から物音がした
「診療所ってしけてるなー、」
ガタガタ、バリン
「ここには何かあるか、ぐひひ、これは、またいいねぐひぐひ」
そっと室内の様子を伺うと、
荒らされた形跡がある
散乱した物、割れたガラス、
音がする方角に、引き出しを物色する小柄な男が見えた
中から何か取り出していた
取り出たものをポケットにしまう
金目の物でもあったのか
ん?
アルは戸惑う
男が頭に被ったものが女性の下着だったからだ
「なんて破廉恥な!」
しまった
思わず声が漏れる
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