9

2/5
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/92ページ
ドサりと男はその場に倒れ込んだ 「おじさんデカいね、ちょっと小さくなってくれる?」 殿下は倒れた男を手のひらサイズに縮めるとポケットにしまった  「これでよしと。アルはどうなったかな~」 どこか嬉しそうに小屋へと向かう殿下 ポケットを激しく揺らしながら ✳︎✳︎✳︎ 小屋に到着したアルは、扉が開け放たれているのにも関わらず、ノックをする コンコン 「失礼する」 緊急時とはいえ、勝手に入るのは失礼にあたるから正しい判断だと自問自答する 殿下からまた真面目すぎると言われそうだ 中へ入ると奥から物音がした 「診療所ってしけてるなー、」 ガタガタ、バリン 「ここには何かあるか、ぐひひ、これは、またいいねぐひぐひ」 そっと室内の様子を伺うと、 荒らされた形跡がある 散乱した物、割れたガラス、 音がする方角に、引き出しを物色する小柄な男が見えた 中から何か取り出していた 取り出たものをポケットにしまう 金目の物でもあったのか ん? アルは戸惑う 男が頭に被ったものが女性の下着だったからだ 「なんて破廉恥な!」 しまった 思わず声が漏れる
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!