10人が本棚に入れています
本棚に追加
/92ページ
10
「ところでさっきの「紫」ってアルのあだ名かい?名前名乗らなかったの?適当に偽名でも言えば良かったのに」
ずりずりと下着男を引きずりながらアルは答える
「治療に名前は必要ないと言われまして」
「ふ~ん。珍しいね、アルを見て名前すら尋ねないなんて。アルに見つめられただけで失神するファンも多いのに。近づこうと突進してくる令嬢もいるのに。」
「なんですか、失神って。私は見つめてなどいないですが。肩書きに寄ってくるのでしょ、そういう女性は苦手ですし」
苛立つ気持ちを下着男にぶつけるように乱暴に引きずりながら歩く
「肩書きだけではないだろう。私が女だったらお前に惚れてる」
殿下はぐいっとアルに距離を詰めた
咄嗟に下着男を壁に使う
「ははは、アルは面白いな。ところで、その下着、アルが保管しておきたまえ。」
殿下は頭の下着を指さすとニコニコ顔で促す
「は、はぁ!さ、さすがにそれはっ」
直視できずにオロオロするアル
「まさか、アル、お前は騎士達に彼女の下着をみせびらかすつもりか?仮にも私の命の恩人だぞ」
「そっ、そそそそうですが」
最初のコメントを投稿しよう!