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己の魔力を全力でぶつけるために集中した時だった
「問題ないアル」
「殿下、どこから?ご無事ですか」
目と鼻の距離に殿下が姿を現した
「いったい何事です?何者かの攻撃ですか?」
「いや、大丈夫だ…」
「殿下?」
「あ…あぁなんでもない…懐かしくてな…」
いつになく低い声で答える殿下は、光の球を多数飛ばし始めた
球に見えたのはよく見ると鳥の姿をしている
「ちょっと調べ物ができた。」
我々魔力の強い者は動物などの姿の球を飛ばして監視や調査を行うことがある
多大な魔力を使う高度な魔法なので、あまり使える者はいない
先程の霧と関係があるのか
「アル、何も聞くな、戻るぞ」
「お待ちをっ」
また見失うのではないかと不安になりアルは殿下の側にピッタリとくっついて歩き始めた
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