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殿下視点
ここムジュール王国の第3王子として生を受けた私ことゼイン・スウォード・ムジュールは、隣にピッタリと歩く男を見て微笑む。
そこらの令嬢よりも綺麗に手入れされたシルバーグレーの髪、それなりに鍛えているであろう身体、おまけに強力な魔力を持つ男。
それなりにというのはどうも、この男は室外よりも室内が好きな傾向がある。引きこもり体質か。魔法に絶対的な自信を持っているので、有事の際も魔法頼り。その為剣術を疎かにしていたふしがある。私の護衛となってからは考えを改めたようだが。
それがこの男アルバート・クロフトという奴だ
クロフト侯爵家の次男━家督を継承しないが功績を上げたため自身は伯爵の爵位を持つ。おまけに紫の瞳持ち
数多の独身令嬢からの求婚の申し入れも絶えないと聞く。が…興味を示さん
魔法の研究が楽しいのかはたまた理想が高いのか
魔力の高いものは後継に遺伝する可能性高い為、結婚は貴族のそれよりも強い義務が生じる
友として心配もするが、こればかりはどうも…
いかんせん私自身も独身だしな
3番目というのも厄介だな
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