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「あなたは……なるほど。私と違う世界の方のようですね。甘すぎず苦すぎず温かい飲み物ですよ。どこでも好きな席におかけになって少々お待ちください」
店内はどこも真っ白だった。
壁際の椅子に腰掛けることにした
「お待たせいたしました。本日おすすめのカフェモカです。私も向かいの席に腰かけてもよろしいでしょうか?」
「はい、どうぞ」
カップには不思議な色の飲み物が入っていた。
紅茶しか飲んだことがないけれど、都会にはこんな飲み物があるのね
ふぅふぅと息を吹きかけ一口飲むと、
喉から胃へと温かさが広がる
「美味しい」
初めて飲んだカフェモカは、ほんのり甘くて、温かい
「ガヴェイン……」
無意識にいなくなった彼の名前を呟いていた
「ゆっくりお飲みなさい。その方はあなたの想い人なのかしら?」
「想い人……?とても、とても大切な人です。私はスミレと言います」
気がつけば涙が頬をつたっていた
もうひとくち飲み物を飲むと、私はここに来るまでの経緯を話し始めた
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