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プロローグ
「ナツメ!どうだ!?カーッコいいだろ?」
まだパリっと固い制服を着て、オレ…中村健太は得意げにポーズを決める。
眼の前には、幼なじみで恋人の白川棗。
はいはい、と頷きながら苦笑いしている。
少しウェーブのかかった髪を指でもてあそぶ仕草が大人っぽい。
…ナツメ…。やっぱり綺麗だよな。
オレより1つ年上のナツメ。このたった1つの年齢差が、オレにとってはものすごく高く厚い壁だった。
特にこの一年。
ナツメが高校に入学し、オレが中学三年生だった一年間は、本当に歯がゆい毎日だった。
どんどん大人っぽく、綺麗になるナツメ。
そんな彼女に置いていかれる焦りでいつもイライラしていたように思う。
…でも、これからは少しは余裕もでるよな?
身につけた制服は、この春から通う澄水高校のもの。
オレは無事に受験に合格し、高校に進学する。
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