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「ふふっ!」
ナツメが可笑しそうに吹き出した。
「健ちゃん、顔引きつってんじゃん。澄高入るの、緊張してきちゃった?」
「へ?」
…どうやらナツメに対してドキドキしていたのを、勘違いして解釈しているらしい。
ナツメは明るい笑顔で、オレの背を叩く。
「大丈夫だよ。変なこと言ってごめん!例え優等生しかいない学校でも健ちゃんなら上手くやっていけるよ」
「ナツメ…」
いや、違うんだ。
別に学校生活には不安を感じてないんだ。
人見知りしない性格のオレは、自分で言うのもなんだが、あまり対人関係で悩んだことはない。
友達も多い方だし、喧嘩したり誰かに嫌われたことはあってもこっちが誠意を尽くした結果なら、まあわかり合えない人もいるよなーくらいに考えてほとんど苦にしたりしていなかった。
そんなわけで澄高に行っても、たぶん上手くいくだろうと楽観的に考えているんだ。
オレが悩んでいるのは、お前のことだけ。
どうすればナツメが自慢出来るような彼氏になれるだろうと、そればかりだ。
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