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「…あ!そうだ、ナツメ!まだまだ先だけどさ、澄高の文化祭とか絶対遊びにきてくれよ」
「えー、気が早いなあ健ちゃん。まだ入学式もしてないじゃん」
「そうだけどさ。オレ、憧れなんだよ。彼女を文化祭に呼ぶの。アオハルっぽいじゃん」
それに…と、オレは言葉を続ける。
「それにオレ、高校では軽音部に入るつもりだからさ!文化祭でジャジャーンとライブすんの!ナツメに見てもらいてーんだ」
「ああ、そういえば健ちゃん、ギター買ってもらったんだっけ」
そう。
高校合格のお祝いに、ずっと欲しかったギターを買ってもらった。
そんなわけで春休みはずっとギターを練習し続けていた。
「あー、楽しみだな。軽音部でバンド組んでライブするんだ。シドみてーにキめてえ」
「……さすがにシド・ヴィシャスは健ちゃんのキャラじゃないでしょ……。しかもあっちはベースだし。にわか丸出しだよ」
「うるせー!フンイキの話だよ!」
ナツメは、あははと笑い声をあげた。
「…健ちゃん」
「ん?」
「頑張ってね。あたし、健ちゃんが楽しく高校生活送れるように応援してるから」
「ナツメ…」
単純なオレは、その言葉だけで力が湧いてくる。
「…ああ、ありがとな」
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