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しばらく天井の星を眺めていると、小さな寝息が聞こえてきた。ベガは疲れて寝てしまったようだ。
「どこでも眠れるのですね。あなたは……」
レグルスは上体を起こして、花の中のベガを見つめた。白い肌が周りの灯りでより輝いて見える。
左手でそっとベガの頬を撫でた。
「必ず……お守りします」
レグルスはベガを抱き上げ、寝室へと運んだ。
何度これをやっているだろうと笑いたくなる。
腕の中の華奢なお姫様は、王が逝去してからは特に必死に業務をこなしてきた頑張り屋だ。
それを側で見てきたからこそ、尊敬し、愛しく想う気持ちが日に日に膨らんでいった。
アステリア国を、そしてベガを裏切っている事を思うと、冷たい態度をとる事で、心の距離をとろうとしたが結局は離れられなかった。
ベガをベッドに寝かせ、レグルスはそっと部屋を出た――。
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