アルゴルの思惑

3/5
前へ
/46ページ
次へ
アステリア国のスペースポートにて、アルゴルが船に乗り込む前に、ひとり見送りに来ていたレグルスが呼び止めた。 「アルゴル様、先程の話は何ですか」 「ん? あはは、結婚の話?」 「私は、聞かされていませんが……」 睨むような目つきのレグルスをからかうようにアルゴルは笑った。 「この前、うちの衣装を着た彼女があまりに美しくてさ…惚れてしまったよ。一国の女王とは言え18歳の無垢な少女だ」 アルゴルは歩み寄ると、レグルスの耳元で囁いた。 「俺色に染め上げるのも悪くないと思ってね」 レグルスは振り払うように身を離した。 アルゴルは「じゃあね」と言って手を振り、船と共に去って行った。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加